他チャンネルへの影響を抑えたDPCMノイズ(とDPCM)の使用方法について(その2)
FFIIIやガチャポン戦士3・4等でドラムとして使われているようなプチノイズ(同じ音ではありません)の鳴らし方の話(の続き)です。
以前「他チャンネルへの影響を抑えたDPCMノイズの使用方法について」という記事を書きました。
そこで紹介した方法(FamiTrackerの場合)は不完全なものでした。DPCMchでプチノイズを短い間隔で2回ずつ鳴らすという強引な方法でした。
しかし今回、やっと狙い通りの音を鳴らすことに成功しました。
※以前追記した内容に誤りがありました。色々試しましたが、DPCMを鳴らした後、リリース(\キー)を入れた後にキーオフ(/キー)を入れても三角波chとノイズchの音量が下がったままでした。該当部分は削除しました。
(2018/2/13追記)無音のDMCファイルを鳴らす際、キーオフやSxxエフェクトを入れる必要があると記述していましたが、入れなくてもほとんど影響がないことを確認しました。
よって該当箇所を削除しました。サンプルファイルも修正しました。
また、「応用 DPCMキーオフ時のプチノイズをドラムに利用する」の項は特に有用でないため削除しました。
用意するもの
・バイナリエディタ
・FamiTracker
(1)無音のDMCファイルを作ります。
バイナリエディタで新規ファイルを作成し、下記のように打ち込みます。
00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00
00
そして拡張子をdmcにして保存します。DMCファイルのサイズは(1+16n)バイトでなければなりません。
(2)FamiTrackerで無音のDMCファイル(1で作ったもの)を読み込みます。
DMCファイルの読み込み方についてはFamiTrackerのマニュアルに記載があるため省略します。
(3)DPCMchに下記のように打ち込みます。
※無音のDMCファイルをInstrument00のC-3に割り当てたという想定で記します。
C-3 00 - Z7F
こうすると、無音のDPCMを鳴らすたびにプチノイズが発生します。
この方法だと、三角波chとノイズchの音量はプチノイズ発生時の一瞬だけ下がり、すぐに元に戻ります。
Zに続く値が大きいほどプチノイズの音量も大きくなります(最大値は7F)。
NSFPlay等の表示だとデルタカウンタ初期値が正の値になったままですが、三角波・ノイズの音量は下がったままではなく、瞬時に元に戻ります。
また、Instrument側でデルタカウンタ初期値の設定もできます。
InstrumentのDPCM Samplesの左側の欄で、対象のサンプルを選択します。
そして、D-counter欄で数値を指定します。0~127の範囲で指定します。
ここで設定すればパターンエディタ上でZエフェクトを使う必要が無くなります。
複数のKeyに無音のDMCを割り当て、D-counterの値を複数設定することもできます。
例:C-3に127、D-3に96を指定
<問題点>
この方法にも一つ欠点があります。NSD.Libで鳴らす場合(以前紹介した方法)と異なり、音の太さを調節することができません。
<サンプル>
上記の方法を使ってDPCMノイズを鳴らしたFTMとNSFを用意しました。
こちらからダウンロードできます(要解凍)。